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勇者と魔王の世界観で語るKPI

f:id:iplugtatemi:20201014190822p:plain 今回は「最高の結果を出すKPIマネジメント」という本を読んで得た要点を、勇者と魔王のファンタジー世界観になぞらえて書いていこうと思います。

はじめまして。プロセスソリューションチームの立見です。

いきなりですがチームの紹介から。 プロセスソリューションチームは社内業務を効率化することでサービス価値を向上させるミッションを持ったチームです。主に社内業務に関する技術的サポートや社内業務を通じてサービス価値を向上させる提案から開発まで行います。

今回、チームのミッション達成度合いをどのように測るかを考えまして、KPIによって実現できるのでは無いかと思い下記書籍を読みました。

「最高の結果を出すKPIマネジメント」 https://www.amazon.co.jp/dp/4894519844

この本を読んで得たことを、勇者と魔王のファンタジー世界観になぞらえて書いていきます。 なぜわざわざファンタジー世界観を使うのかというツッコミは無しでお願いします。固い言葉が並んでいると眠たくなるからです。

勇者と魔王のファンタジー世界観

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ーーここは人口1,000人ほどの小さな村。 この村は魔王とその配下である化け物によって平和を脅かされています。 このままでは村の人間が絶滅してしまいます。 魔王を討伐して平和を手に入れ、人類を繁栄させるべく勇者が立ち上がりました。ーー

ゲームでよくある世界観ですね。

果たして何がどのくらいになればこの村の人類は繁栄できるのでしょうか?

KPIを設計して数値管理してみましょう。

まずKPIとは

KPIとはKey Performance Indicatorsの略で、日本語にすると「重要業績評価指標」と呼ばれるようです。 書籍では以下のように説明されています。

KPIとは、「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの

私はKPIという文字自体はなんとなく知っていたものの、事業の重要な数字が並んでいるものくらいの印象しかありませんでした。

何も考えずにKPI設計してみる

さて、何がどれくらいの数値であれば、この勇者と魔王の世界において、この村の人類は繁栄できるのでしょうか? うーん・・・、魔王によって平和を脅かされているし、たぶん以下の要素が重要なのではないでしょうか。

  • 勇者の強さ
  • 勇者の武器の強さ
  • 勇者の防具の強さ
  • 勇者が行動するためのお金の量
  • 魔王の強さ
  • 配下の化け物の量

これらをそのままKPIの項目にしよう!全部重要そうだし。

勇者の強さ 武器の強さ 防具の強さ お金の量 魔王の強さ 化け物の量
? ? ? ? ? ?

あとはそれぞれの項目の目標数値を決めれば完璧だ!!!

この時点でイケてないKPI設計をイケてるKPI設計にする

残念ながら、この時点でイケてないKPI設計なようです。 なぜ?全部重要に思える項目なのに!

その理由は、以下の3点が原因です。

  • KGIに繋がるように設計していない
  • CSFが不明
  • KPIがたくさんある

では、イケてない理由の詳細と、どのように解決したら良いかを見ていきましょう。

イケてない理由その1「KGIに繋がるように設計していない」

KGIとは、Key Goal Indicatorsの略で、最終的な目標数値です。 最終的に何がどのような数値になっていれば良いのか?を表すものです。数値という言葉どおり定量的な指標が望ましいとされています。

また、KPIはKGIにつながるための指標にしなければなりません。

今回の世界観のKGIは何か?

KPIをKGIにつながる指標にするため、まずはKGIを確認しましょう。

魔王を倒せば平和になって人類は繁栄できるのだから、KGIは「魔王の生存数=0」でしょ! と思われる方もいるかもしれません。

しかし本当にそうでしょうか? 最終的に達成したいのは村の人類の繁栄ですね。 ですので、KGIは村における人類の繁栄を数値に置き換えたものになるはずです。

人類の繁栄を数値に置き換えると何になるでしょうか?人口?文化の発展度?村の魅力づけ? 色々あると思いますが、この記事ではKGIを「人口=2,000人」にしたいと思います。 実際の業務でのKGIは、事業の戦略資料に書かれていたり、事業計画資料に書かれていたりするはずです。確認してみましょう。

KPIがKGIと繋がっていない?

さて、KGIを「人口=2,000人」としました。 改めて、先に設定したKPIを見てみましょう。

勇者の強さ 武器の強さ 防具の強さ お金の量 魔王の強さ 化け物の量
? ? ? ? ? ?

今のKPIはKGIと繋がっているでしょうか? 勇者が強くなれば人口は増えるでしょうか?人口の減少が止まるでしょうか? 関係はあるかもしれませんが、直接繋がっていないように思えます。 これでは、今のKPIをどれだけ管理しても、人口にどのような影響があるかわかりませんね。

イケてない理由その2「CSFが不明」

続いてのイケてない理由は、CSFが不明である点です。

CSFとは、Critical Success Factorの略で、重要成功要因です。 KGIを実現するための様々なプロセスの中で、最も重要なプロセスのことを指します。プロセスですので、これは定量に落とし込まなくて構いません。

では、この世界のCSFを見ていきましょう。

今回の真のCSFは何か?

イケてないKPIでは、魔王によって平和を脅かされていることで繁栄を阻害されているのだから、CSFは「魔王を討伐すること」であると考えました。 本当にそうでしょうか? 今回のKGIは「人口=2,000人」です。現在この村には1,000人ほどしかいませんから、あと1000人増やす必要があります。

人口が増える方法を探るために、まずは人口が増減する要因について冷静に分析してみましょう。 その結果、人口増減の要因が下記のようにわかりました。

人口増減の要因

増加要因 f:id:mayumi-matsuda:20201027193712p:plain
  • コウノトリにお願いするたびに子供が生まれる。現在は毎月だいたい6人くらい赤ちゃんが生まれている(コウノトリお願い率)

減少要因
f:id:mayumi-matsuda:20201027193723p:plain
  • 魔王や魔王の配下によって危害を加えられた人が平和な村へ引っ越す。月にだいたい3人(魔王の影響による引っ越し率)
  • 怪我や病気で隣町の病院へ入院する。月にだいたい5人(入院率)
  • 第二の人生を平和な街で過ごすために引っ越す。月にだいたい2人(余生まっとう引っ越し率)

これらを人口に与える影響として数値化させます。

増加要因
コウノトリお願い率
6人 / 1000人 = 0.6%

減少要因
魔王の影響による引っ越し率
3人 / 1000人 =0.3%

入院率
5人 / 1000人 = 0.5 %

余生まっとう引っ越し率
5人 / 1000人 =0.2%

どうやら魔王やその配下による影響よりも、それ以外の部分が大きく人口に影響を及ぼしているようです。 人口がどのように成り立っているのか式で表すと下記のようになると思います。

人口=生存者数+生存者数×コウノトリお願い率−(生存者数×魔王の影響による引っ越し率+生存者数×入院率+生存者数×余生まっとう引っ越し率)

1ヶ月後の人口予想をこの式に当てはめると

人口=1,000+6−(3+5+2)=996人

になります。 もし魔王を倒してその影響が無くなったとしても

人口=1,000+6−(0+5+2)=999人

と、減少の一途をたどってしまいます。

どうやらKGIの「人口=2,000人」を達成するためには、下記の要因のほうが重要なようです。

  • コウノトリにお願いし生まれる赤ちゃんを増やす
  • 病気や怪我を予防して隣町の病院へ入院する人を減らす
  • 老後の引っ越しを認めないようにする

この中で「老後の引っ越しを認めないようにする」は、不可だと思うので外します。コントロールできないことをCSFにしてしまうとどうしようもありません。 とすると残った「コウノトリにお願いする」ことか「予防する」ことがCSF候補として考えられます。

赤ちゃんは現状ではだいたい月6人生まれるのに対し、入院者数は現状だいたい月5人、かつ入院率よりもコウノトリお願い率のほうが人口への影響が大きいため、今回のCSFは「コウノトリにお願いする」にしようと思います。書籍によると、CSFを一つとするのは重要なようです。なぜ重要かは後述します。

イケてない理由その3「KPIがたくさんある」

ここまでは、KGIとCSFを確認しました。いよいよ、KPIに挑みます。

現在、イケてないKPIでは項目が6つあります。 なぜそれがダメなのでしょうか?

KPIがたくさんあると・・・

書籍では、KPIは信号だと例えています。 KPIが達成できているのであればそのまま進め、KPIを達成していないのであれば何か問題が起きつつある。KPIが大幅に未達であれば今の戦略や戦術を見直す必要があると判断できます。

しかしKPIがたくさんあると、今のままでいいのか何か方針転換したほうがいいのか判断しづらくなります。 例えば勇者の強さは達成しているが、お金の量が足りていない場合、どうすればいいのでしょうか。 このまま進むことで本当に目標を達成できるのでしょうか?判断に迷いますね。

改めてKPIを考えてみる

kpi

初めの方でKPIの説明を書籍から引用し下記のように書きました。

KPIとは、「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの

ここでいう「事業成功」とは、KGIである「人口=2,000人」 「鍵」とはCSFである「コウノトリにお願いする」と決めました。

KPIとは「鍵」を「数値目標」で表したものなので、 KPI項目は「コウノトリにお願いした件数または率」となります。

CSFが多くあるとそれに従ってKPIも多くできてしまうので、CSFを1つに絞ることは重要なんですね。

数値目標
人口=生存者数+生存者数×コウノトリにお願いした件数−(生存者数×魔王の影響による引っ越し率+生存者数×入院率+生存者数×余生まっとう引っ越し率)

であるならば

例えば1年(12ヶ月)で「人口=2,000人」を達成するのであれば、コウノトリお願い率を7%くらいに引き上げれば達成できそうです。

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最終的なKPI

これらのことから、人類の繁栄を達成するためにKPIを「コウノトリお願い率を7%にする」ことにしました。 勇者は魔王を討伐するより、コウノトリの魅力を布教するほうが、結果的に人類の繁栄に貢献できるわけですね。勇者とはいったい・・・ウゴゴゴ・・・

まとめ

  • KGI=最終的な目標を確認する
  • CSFを1つに絞る
  • KPIは、KGIを達成できるCSFの数値目標
  • KPIが多くあるものは良くない

最後に

今回は書籍にかかれているうちの一部をファンタジー世界になぞらえてまとめてみました。 まだまだ本稿に書ききれていない良い部分は多くあります!

立見 洋樹(プロセスソリューションチーム マネージャー)

10年くらいアプリケーションエンジニアでした。最近はマネジメント一辺倒です。過去エンジニアリングに極振りしていて、最近はビジネススキル習得のためにアンラーニング中です。「怠惰」「短気」「傲慢」をモットーに日々生きています。